ブッシュの罪はなぜ許される!力が全ての野蛮なこの世界。

 日本は1945年8月14日にポツダム宣言を受諾して、翌15日に太平洋戦争の敗戦を迎えた。
 ポツダム宣言第十条には、「・・・吾等の俘虜を虐待せる者をふくむ一切の戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を加えられるべし。」とあり、それに従い、日本の戦争犯罪人とみなされた人々はA、BC級戦犯として裁かれた。

 極東国際軍事裁判所は戦争犯罪をA〜C項に類型化したが、A項は「平和に対する罪」、B項は「通例の戦争犯罪」、C項は「人道に対する罪」とされる。素人の私には「平和に対する罪」とか「通例の戦争犯罪」といわれても言葉の意味が良く理解できないが、B項の「通例の戦争犯罪」とはハーグ陸戦法規などの戦時国際法における交戦法規違反行為が該当するらしい。

 戦後、BC級戦犯として朝鮮、台湾出身者を含む被告約5700人のうち、900人を越える人々が死刑執行された。このBC級戦犯として絞首刑に処せられた人々は、正に俘虜を虐待したとされる罪状によってであった。

 即ち、捕虜の虐待は、罪であり、死刑にも相当するのである。 

 テロ容疑者を収容していたキューバ・グアンタナモ米海軍基地では、容疑者に対して水責めや睡眠を奪うなどの拷問が行われていた。

 この拷問は、2002年2月にブッシュが、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約は国際テロ組織アルカイダやアフガニスタン旧政権タリバンには適用されないと宣言した文書に署名されたことがきっかけで始まったと米上院軍事委員会の報告書が認定している。

 オバマ米大統領は22日、グアンタナモ米海軍基地内の収容所を1年以内に閉鎖するよう支持する大統領令に署名した。同時に、テロ関係の取り調べにおける拷問を禁止し、テロ容疑者らの拘束方針や個別事情の見直しを求める大統領令にも署名した。これに対して、マケイン上院議員は、「米国が(捕虜の人道的扱いを定めた)ジュネーブ条約を順守することを確認する決断」として、大統領令を評価する声明を発表した。

 このことは何を意味するのか!

 米国自身が、ブッシュがジュネーブ条約を守らずに拷問を指示していたことを認めたことを意味する。

 心ある人間なら、特に連合国によって戦後、BC級戦犯として、多くの国民を処刑された日本の政治家は、米国やブッシュに対して抗議すべきではなかったのか。

 英国のミリバンド外相は、「『対テロ戦争』は誤りだった」と断じ、「対テロ戦争」という概念は、「諸グループを十把一絡げにし、善悪あるいは穏健派と過激派というように2者対立の境界線を引いてきた。しかしそれを進めれば進めるほどあまり共通点を持たないグループの統一に手を貸すことになった」という。また、テロ対策として軍事的手段を何よりも優先しようとする考え方では解決につながらないと批判している。

 一方、肝心の日本の政治家はどうか。
 1月23日付毎日新聞夕刊で歴史学者のロナルド・トビは、こう述べている。
 「私は現代日本の政治や外交が専門ではありません。軽いコメントをばらまくことはよくないとは思います。でも、あれは恥ずかしかった。小泉純一郎さんがアメリカを訪問し、エルビス・プレスリーの旧居で歌ったでしょ。経済大国のリーダーが肩書きを忘れ、中学生みたいに無邪気に歌っているのがすごく恥ずかしかった。・・・・」「占領時代の日本は独自の路線を歩むことはできなかった。それが戦後60年もたち、平和になってもなお米国から自立していないのはどうしたものでしょうか

 小泉はアメリカ人に恥ずかしいといわれ、日本の米国追従の姿勢もどうしたものかと笑われているのである。

 日本人は、恥を大切にしてきた。恥を知る文化であった。
 今では残念ながら、首相からして恥知らずで、情けない国の代表日本になってしまった。

 ブッシュの罪を戦後の裁判と同じ基準で裁けば、間違いなく絞首刑であろう。それが何故裁かれもせずにのうのうとしておれるのか?力である国の力
 力さえあれば、全てのことが許されるのである

 イスラエル軍は、この度パレスチナ自治区ガザに侵攻して、1000人以上の人間を殺した女、子ども等も無差別で殺した国連は、15日、「非人道兵器」と非難されている「白リン弾」が使われたとの見方を表明して非難した。しかし、イスラエルに対して何ら制裁は加えられない。何故か。ユダヤ教徒は世界中で金を握っているからだろう。

 この世界は、力を持ったものの勝ちなのである。人道も何もあったものではない
 なぜ、イスラエルなどという国ができたのか。2000年前に住んでいたという理由で建国が認められるなら、世界中が大混乱するであろう。アメリカなんか、インディアンと呼ばれた原住民が支配する国にして、白人など全員追い出さなければならない。

 現在のイスラエルの土地には、確かにユダヤ人は住んでいた。しかし、それ以上のアラブ人が住んでいたのである。多数のアラブ人を追い出して建国したのが、イスラエルなのである。こんな出鱈目なことが許されたのは、白人がイスラエルの建国を許し、支援したからであろう。ここに既に現在のアラブ対欧米の対立構図の原因があるのではないのか。

 ブッシュは、「自由」だの「民主主義」だのといったが、それは力に任せて白人がやりたい放題する「自由」であり、「民主主義」なのである。ブッシュは北朝鮮を「ならず者国家」といったが、ブッシュも同レベルでならず者であった。

 それが許されたのは、要するに力なのである。力が全てのこの野蛮な世界!犬畜生以下の人間という生き物

(2009年1月25日 記)

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